- 2008年6月24日 10:46
- diary
「CDはどこへ行く」特集に思う
最近周りの人に「CD買ってます?」と聞くと、もう殆どの人が「いや買ってない」と言います。じゃぁどうやって新しい音手に触れてるのかというとマイスペだったりダウンロードだったり、はたまたパーティだったりライブ会場だったりとか。自分を鑑みても最盛期のCD月購入枚数から考えたら何十分の一になってるわけで。
そんな時にたまたま書店で見つけたMMを読んで、個人的に思ったことをまとめておこうかと。自分の頭の中を整理する意味でもね。
・まず最初に、メディアの優劣を比較するのは不毛。LP、CD、カセット、MD、データ...それは単なるフォーマットの違いだけであって、ユーザが自由に選択すればいいだけのこと。モノとしての所有欲を満たしたければLPでもCDでもいいし、ソースとしてのみ必要なのであればデータで十分。MM読んでて思ったのはここに過度に拘る人が多すぎる。そしてそういう人ほど排他的。
・音楽産業が衰退していると言われますが、僕に言わせればメジャーの自業自得。放漫経営を繰り返してきたツケが出てるだけの事。MMで古澤さんの言っていることはまさにその典型で、未だに戦略やマーケティングでどうにかなると思っている。ユーザーを舐めすぎ。
・石坂さん(僕はこの方の仕事を凄く尊敬しています)の仰っていることは納得できる部分とそうで無い部分と半々。
シングル志向が必要というのは、ある意味今の時代を的確に捉えているなぁと舌を巻きました。
うちのアーティストのiTSでの売上比率見ていると、圧倒的に単曲が多いんですよね。みんな吟味して購入している。好きな曲だけを自由にピックアップしてシャッフルして聞くわけです。
逆にそんな時代だからこそ、アルバムへの導線となるシングル=1曲の重みが増しているのかなぁと。60、70年代の状況に奇しくも戻ってきているなとここんとこ思っていました。シングルってのは単価も安いしビジネスとしては割に合わないんだろうけど、ユーザーのニーズを考えればそういう手間暇をかけないともうモノは売れないのかな、と。
うちくらいの規模のレーベルだとシングルCDプレスして売って、というのは体力的にキツイ。でも配信のプラットフォームを使えば似たような事はできるわけです、と思って試みたのが06年にやったfwjの「iTS限定シングル3部作」だったんです。ちょっと早すぎたかな、今ならもうちょっとレスポンス違ったかなという気もしないでもないのですが、「夏でもなく秋でもなく」や「サイクル曜日」は彼の代表曲にもなりましたし、結果彼の全作品は今でもiTS上ではコンスタントに売れ続けています。
石坂さんはスーパースターが足りない、小衆、分衆の時代なんて嘘と仰っておりますが、そこは僕とは意見が異なる。スーパースターなんていなくていいし、細分化していくからこそ多様な音楽に触れられるのではないか、と。ジョンレノンやカートコヴァーンなど、スターシステムに絡め取られた人達の悲しい末路を僕らは色々見聞きしてきているわけです。そういうものに僕は拒否反応がある(無い人もいる?)。でもまぁそこは永ちゃんやユーミンを育て上げた方だから仕方ないのかなとも思います。スターシステムについては話すと長くなるので別の機会に。
小衆、分衆を否定することはまんまメジャーの怠慢を肯定することに繋がりかねない。ユーザーが多様化しているのなら、そこに合わせてきめ細かく対応していくのがメーカーの仕事ではないのかなぁ。予実管理も含めてね。メジャーがそれやってくれるのならmaoなんか無くてもいいよ(笑)あ、違うな、そうなったらなったでもっとコアな事を嬉々としてやってんだろうな俺は。
・小野島さんの文章は流石現場に近いところにいるだけあって示唆に富んでいました。PCより携帯の方がダウンロード売上大きいというのは、正直まだ実感としては分からないのですが、確かに若年層の事を思えばそうなのかも。いわゆるヒット曲的なものを欲する層というのは確実にそこにいるわけだし。うちのコアユーザーだとiTunes+iPodの方が多いんではないのかな。
ライブは「複製不可能な体験である」というのは強烈に実感として分かります。僕の周りでも店頭より天売の方が売上枚数多いというアーティスト多いですし。考えてみればライブ会場っていうのはインストアやってるのと同じなわけですよね。イイ演奏をする→お客さんが感動する→CDやグッズを買う、っていう流れは商売の王道なわけで。雑誌広告とかCMの何倍も直接的なプロモーションなわけです。
あとアーティストの意識も変わってきている気がします。CDをリリースしたいのはそれで儲けたい訳じゃなくて、それ自体がプロモーションツールだと捉えている人が多い。リリースする事により自分たちの音楽に触れる機会を増やし、それがライブのオファー数に繋がり、自分たちの音楽を直接お客さんに届ける機会が増える。そうすることによりシンパを増やし、結果副次的にCDやノベルティの売上がアップする、と。つまりライブの回数を増やすことが主で、CDを売るのは従なんです。メジャーとかだと逆でしょうね多分。
レーベルにとっては複雑でしょうが、僕はそれでいいと思っています。彼等の作った音楽はレーベルのものではなくて、彼等とそれを愛してくれるお客さんのものですから。
これで全部がキレイにまとまったとは思っていませんし、取りこぼしてる部分も多々あります。覚え書き程度に流し読んで貰えればと。
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